今回は、理系の生徒が1番悩むであろう「物理と生物どちらがいいの?」という疑問について、徹底的に解説していきます。
物理or生物をいったん選択してしまうと、ほとんど変更することができません。また、生物選択をしてしまうと、大学によっては受けられない学科(物理学科など)も出てきます。
しかし、そんなにも大事な選択なのに、実際に難関大学の受験に成功した学生からの情報はほとんど手に入りません。これでは判断に迷ってしまいますよね。
この記事では、生物については偏差値70台の筆者と東大のKさんが担当。物理については、偏差値75で安定させ、最高は80(!)にまで達した医学部のAさんの助言を受けて書いています。
おもしろ経験談も交えて解説しますので、ご安心くださいね。
教科選択を間違えなければ、受験成功の確率はグッと上がります。
物理か生物で迷っている…という方は、ぜひ最後までお付き合いください。
向いてる・向いていない人の特徴!
結論
①物理に向いている人
- 数学(特にベクトルや三角関数)が得意な方
- 数学が得意で、かつ他の人と圧倒的な差をつけたい方
- 共通テスト物理で高得点(ほぼ満点)が必要な方
②物理に向いていない人
- 数学に苦手意識がある方
- 計算が遅い方
- 物体の移動や電磁波などに興味を持てない方
③生物に向いている人
- 暗記が得意な方
- 国語が得意で、言語化能力に優れている方
- 満点はいらないけれど、高得点を安定させたい方
④生物に向いていない人
- 生命現象や自然界の仕組みに興味が持てない方
- 記述が苦手な方
- 少数の選択者側に入るデメリットを飲み込めない方
ざっと見たところで、ここから詳しい理由を述べていきます。
①物理に向いている人
数学が得意だと物理も伸びやすいです。特にベクトルや三角関数が得意だと良いと思います。
物理は、物体の運動に対し論理的に数字を積み上げていく教科なので、空間把握能力やグラフを扱える能力(波動という単元で役立つ)は必須なのです。
また、偏差値70を超えるようになれば、他の人と差がつきやすいのも物理の特徴と言えるでしょう。もう1人の物理選択者(医学部Sさん)にも聞きましたが、大体の生徒はセミナーや良問シリーズの周回で偏差値65まではいくそうです。
しかし、偏差値70に強固な壁があり、そこを超えて伸ばせるかは個人の才能にかかっているといいます。センスの問題ですね。
ただ、大体の大学ではそこまでの物理センスは求められません。「解き方」をしっかりインプットし、偏差値65、共通テスト9割は取れるようにしましょう。
ちなみに、医学部受験生に物理選択が多い理由は「共通テスト物理で高得点(ほぼ満点)が必要」という1点に尽きます。共通テストの生物はなかなか点数が取りにくいですから、医学部受験者はそちらも加味して選択してください。
「私の癖は、定規とか小銭とかを立てることでした。物体の重心探しが楽しいんです(笑)
そういう方に物理はおすすめですよ。あとは、物理は他の人との差がいい意味でも悪い意味でもつきやすいですね。無難なのは生物だと思うけど、暗記より頭使うほうが得意なら、物理がおすすめですよ」
②物理に向いていない人
数学に苦手意識がある人にはあまりおすすめできません。簡単な問題でも、sin、cosを使うのは当たり前なところがあります。また、物理はとにかく計算量が多いので、計算が遅いのも致命的です。
また、物体の運動や電磁気などに興味がない方にも、物理はおすすめしません。興味を持てない教科はなかなか伸びないのが当然ですからね。
Aさんと違って、私は物理の神に愛されてませんでしたね。でも、意外と手順さえわかってしまえば偏差値65はキープできました。医学部に進んで完全暗記ゲーに苦しみ悶えてる今思うのは、絶対生物選択にしなくてよかったと思う反面、今とても辛いという感じです
③生物に向いている人
暗記が得意な人は生物向きです。
というのも、生物は何単元にもわたる分野がありますが、ほぼ全てが暗記であり、暗記ができないと非常に苦しい戦いを強いられる羽目になるのです。原理を覚えればいい物理とは、大きく違う点ですね。
本番で配点が高い思考問題なども、その基礎にあるのは全て暗記です。暗記をしていないと何も始まりません。
生物のおすすめ勉強法をまとめた記事はこちら↓↓↓
加えて、生物では言語化能力も重要です。
記述が多めなので、生命現象がなぜ起こるか、どんなメカニズムで起こるかを自分の言葉で説明できないと苦戦するでしょう。(筆者は生物選択ですが、国語が異様に得意でした。おかげで、最低限の勉強時間で得点を安定させることができました)
国語力を伸ばしたい方はこちら↓↓↓
生物で満点を取るのは至難の業です。前述したように記述問題が多く、また暗記科目なので、重箱の隅をつつくような問題が出てきたらお手上げ、ということが多々あります。
しかし、最低限の知識を入れるだけで得点が非常に安定するのも、生物の特徴。数学に自信がない方には無難な科目といえます。
私は数学がもともと苦手で、物体が動いたり重力がどうこうすることに一切興味を持てませんでした。でも、生物は楽しいし、すぐ得点が上がるし、味方につければ心強い教科ですよ。生物選択にしてほんとによかったと、生物の研究をしている今は思います。
④生物に向いていない人
生命現象や自然界の仕組みに興味が持てない方は、生物という教科には向いていないかもしれません。
生物基礎とは違って理系生物は、かなり深いところまで学習する必要があります。意味をなさないカタカナ語を覚えるのなんてザラですから、興味がなければ勉強ペースが維持できないかもしれません。
また③で述べた通り、生物には国語力が大事ですので、記述が苦手だという方は避けたほうが無難かもしれません。2次試験で使わないなら問題ないのですが…
そして、ここが1番重要なポイントです。
少数の選択者側に入るデメリットを飲み込めない方は、生物を選択しないほうがいいです。
生物選択者は、偏差値が高くなればなるほど減る傾向にあります。また、物理選択と比べると人数の差が歴然としているので、生物選択者はたまに不利益を被るのです。
2023年の共通テストもそうです。物理の平均点は比較的高かったですが、生物はここ10年で1番の難易度と言われ、物理との平均点の差が20点近く開いてしまいました(得点調整は入りましたが、それでも点数の開きは埋まらず、不平等だという声がネット上に多く散見されました)
生物選択者は、物理に比べて教材も少なく、少数だからと救済措置が取られない可能性に怯えて本番を受験しなくてはなりません。それでも生物が好きだから、と選択している人が多いのです。
この点を踏まえて、どちらの教科にするか決めるべきだと思います。
不平等な扱いを受ける危険性が比較的高いのですが、それを加味しても、私は生物が好きでした。今も大好きです。だから偏差値が伸びたんだと思います。
まとめ
以下が本日の記事のまとめとなります。
- 物理は良くも悪くも差がつきやすい
- 生物は無難だが、満点は取りにくい
- 生物選択は不平等な取り扱いを受ける可能性がある
- 自分が興味を持てる教科を選ぼう
コメント